ひつじのエフォートレスライフ

エフォートレスに暮らしたいひつじのあれこれ

【読書記録】不安やうつへの処方箋となる本

こんにちは、ひつじです。

 

今日は、メンタルの回復にめちゃくちゃ効いた本をご紹介したいと思います。

ゆるっとしたハウツー本ではなく、メタ分析などを基にした、科学的裏付けがしっかりとれた読み応えのある本です。

 

その名も、「ストレス脳」。

 

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これは、スウェーデン精神科医アンデシュ・ハンセンという方が書いた本です。

ひと昔前に「スマホ」という本が話題になりましたが、その著者の新作になります。

認知科学脳科学の観点から主に現代人がなぜここまでストレスを感じているのか、について論じられています。

認知科学だの脳科学だの言われると難しそう…と思われる方も少なくないと思いますが、この本は語り口がポップで(主観)、有難いことに翻訳も読みやすく(主観)、誰でもスイスイ読み進められる本だと思います(主観)。

 

おもしろポイントその1

 

ひつじがこの本を面白いと思ったポイントは、ネガティブに捉えがちな"不安"や"恐怖"は人間として当たり前の反応なんだ、と気付かせてもらった点です。

不安や恐怖などは科学が発達した今でも漠然と捉えられがちですが、健全な脳の働きによって生じる状態です。

 

今でこそ空調の効いた家の中でスマホをいじって、美味しい食べ物も満足に食べて…という生活がスタンダードになってきていますが、

人類は何十万年という長い間、野外で狩りをしなければ生きていけない、いつ外敵に襲われるか、餓死するかも分からん、というハードな状態で生きてきました。

そしてそんな無理ゲーに生き残り、綿々と命が繋がれてきた結果、私たちがいまここに存在しているわけです。

 

種が進化するのは何百万年、何千万年とかかるわけですから、我々現代人は、人生ハードモードだった狩猟採集民族と何ら変わらない身体構造・脳構造をしているわけです。

ということは、脳が"不安"や"恐怖"を感じるプロセスも変わっていないということになります。

 

基本的には「命が危険にさらされている!」だとか「集団から疎外されるかもしれない(=餓死の危険性が高まる)!」と判断すると不安や恐怖を感じるようにプログラミングされています。

つまり、不安も恐怖も、無事に命をまっとうするために必要な感情なんです。

 

これを知って、何かに「不安だな~」と感じたり、緊張したとき、その感情にずるずる引きずられずに、

「あ、いまドキドキしてるけどこれは原始的な反応だからそこまで気にしなくて大丈夫」と切り替えられるようになりました。

 

おもしろポイントその2

 

昨今うつ病が全世界的に社会問題となっていますが、これもまた人類の歴史、脳の構造を読み解くことで原因と対策が分かります。

 

ひつじ的理解で超ざっくりいうと、"うつ"というのは、人間を感染症など身の危険から守るための脳の働きと考えられるそうです。

人がたくさん集まる場所は当然感染症へのリスクも高まりますし、心身ともに消耗している時は余計な事にエネルギーを割いている余裕はありません。

物理的・精神的なストレスに長期間さらされた末に、脳が心身ともに疲弊していると判断すると、脳は人を引きこもらせるように作動します

具体的にはベッドから出たくない気分にさせて、仕事はもちろん娯楽に対するモチベーションも下げ、省エネモードにし、うつ状態となるそうです。

 

「ストレス脳」を読んで、コロナの感染者数が毎日報道されているここ数年、うつ病患者が増えたのも道理にかなっていると思いました。

日々感染症の恐怖に晒されたら、そりゃあ脳の方でも人をステイホームさせたいと判断することでしょう。

 

ひつじはこの本を読むまで、うつ病は脳の機能不全から起こると理解していましたが、逆に脳が正常に機能した結果、うつ症状が出てきているのかもしれない、という視点が持てました。

もちろん、うつ症状は辛いものですので、脳が正常だろうがそうでなかろうが、医療的な対処療法は必要だと思いますが、

新しい視点が出来たことで、うつ病に対する恐怖心というものが和らいだ気がします(※ひつじは数年前にうつ病を患ったことがあります)。

 

まとめ

 

「ストレス脳」では上述した内容以外にも、脳が引き起こす"問題"の原因や解決策の具体例が沢山挙げられています。

 

メンタルの揺れが発生する原因と対処法を知識として持っておくというのは、かなり心強いものです

安定剤やSSRIで目先の症状を解消することはできますが、根本的なメンタル回復を図るのであれば、敵を知ることが必要なのだと思います。

この場合の敵というのは脳内の働きであり、この本でその概要が分かります。

 

少しでも興味を持った方は是非読んでみてください。

世界観が変わります。

 

では、また。